大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(オ)125 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を札幌高等裁判所に差し戻す。

理 由

上告代理人弁護士小寺叔輔の上告理由第二点について。

原判決は、その判文の示すように、その挙示の証拠によつて認めた事実に基づき、

訴外Dは、自創法三条五項二号にいわゆる耕作の業務に従事する者であると断定し

たのである。思うに、原判決もいうとおり、自作農の行う耕作を補助する為めの使

用人が、右耕作の業務に従事する者に当らないことは勿論であるが、その使用人と

いつても、それを、労務の提供に対し定期の給料をうけるという典型的な使用人に

だけ限るべきではなく、給料の外に耕作の実績に対し一定の歩合による利得の供与

をうけるような者も右に準ずる使用人と解するを相当とする。けだし、そのような

使用人も典型的な使用人と同じように、契約の主眼が労務の提供という点におかれ

ているからである。然るに、原判決の認定事実によれば、上告人は、昭和二二年三

月中Dとの間に本件自作地を同人に耕作させ、その給料として毎月五〇〇円を支給

し、その耕作に要する種苗や肥料は上告人において購入し収穫物は、みずから取得

し収支計算の上利益の一〇分の六を同人に交付する契約が成立し、Dは右契約に基

づき昭和二二、二三年に耕作に従事したというのであるから、Dは、右にいう典型

的な使用人に準ずるものであつたと認めるのを相当とする。さすれば原判決がDが

上告人の単なる使用人でなく、前示法条にいわゆる耕作の業務に従事するものと断

定したのは右法条の解釈を誤つて適用したものというを憚らない。そして原審が右

のような、判断をするについては、更に思を致し、上告人がDと契約をするに至つ

た経路、D以外に耕作に従事する者がなかつたか否か、また判示収支計算が実行さ

れていたか否か等の点について、審理をつくすべきではなかつたか。これを要する

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に、原判決は法律の解釈を誤つた結果審理不尽に陥り理由不備のそしりを免れない

ものと考える。論旨は理由あるに帰する。

よつてその余の論旨に対する判断を省略し、民訴四〇七条に従い裁判官全員の一

致で主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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